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病が姿を現す日

鬼さんには古くから付き合っている彼女がいます。途上で仲違いして、ずっと音信不通になっていたのが、ある日息を吹き返して、再度親密な関係に戻っていました。

彼自身の言い分を聴くと、数多いガールフレンドの中で別れた後、一番重みを保っていた人だそうです。ただし、全てが完璧と言う訳ではなく、心気症の気がある彼女に引っ張りまわされている感じもしていました。

何処が悪いのかはっきりせず、医者には「貴女は元気だから治療の必要など無い」と見捨てられるほど興奮状態にいることもありました。コーチゾンを常用していたせいで、ちょっとヒステリーの気味があったからです。

ある日、鬼さんの誕生日を祝うために突飛な催しを企画し、最終的には計画はパーになるし、鬼さんとも気まずくなって喧嘩別れになっていました。彼女が一方的に怒って出て行ってしまったので、それ以来もう数年、彼女とは会う機会が無くなっていました。

最近の情報としては、杖と歩行器を用いて外出していたそうです。鬼さんが仲直りするために昼食に招待した時も杖に縋っていて、男の目には大袈裟としか見えなかったようでした。

その彼女が数週間前に手術を受け、化学療法を受けていると知って唖然としたのは鬼さんだけではありません。誰も彼女が病気だと信じていなかったのですね。なんでそんなに検査ばかりするのと不思議がる人ばかりでした。

経過は芳しくなくて、化学療法も慰め程度らいしいのですが、その治療にも抵抗できなくて心臓麻痺を起こしたらしいと知りました。

これだけ列挙すると既に絶望的な状態にいると察することが出来ますが、何時訃報が届くかと気を揉んでいる鬼さんを慰める言葉が見つかりませんでした。

親しい人の苦しみを理解してあげられなかった悔いほど厳しいものは無いと思います。昨夜は出来る限り気晴らしになる話をして試練の時を分かちました。
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