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黄色のチョッキ騒動

今日も「黄色のチョッキ」たちのデモがありました。常に便乗して悪さを働く暴動屋(Casseurカスゥール)が待ち構えているので機動隊も出動しています。

夕方4時頃に県庁の傍を通ろうとしたら、裏の道が交通止めになっていて遠回りしなければなりませんでした。気軽に市場に赴いたモンペリエっ子ですが、まだ平和な雰囲気だったのでそのまま買い物を続けました。

帰りはちょっと険悪化していて、見慣れた商店街が催涙ガスの煙に包まれていました。まさかと思っていたようなことがモンペリエでも起こるなんて信じられませんが、「黄色のチョッキ」運動は何処かフランス革命に似ています。

政治に直接関与するなんて夢にも思ったことの無い人たちが、集団で抗議すると全てが可能になると理解したので、運動がこのまま続く恐れもあります。現在デモ参加者の数は減少していますが、年末の一時休戦と言う声も上がっています。

経済面での影響は多大です。倒産する中小企業もあると聞いていますが、一番書き入れ時の土曜日が7週間に亘って開店休業である上に、ショーウィンドーを破壊されたり展示物を盗まれたりする商人は更に大変だと思います。

あの素晴らしいシャンゼリゼもまだ完全に回復していないそうです。デモは労働者の権利ですが、それに便乗して暴力を働きに来る連中は許せません。

そろそろ普通の生活に戻って欲しいと思いますが、どうなることやら。来年の干支は猪なのでちょっと心配です。猪突猛進と言いますよね!

労働法改革

社会党政権になってから、あまり履歴の無い、若い政治家が抜擢されています。人材不足がその一因であるように見えるのが難ですが、それに関しては発言を避けます。若いから出せるような法案もあると思うので、頭ごなしに駄目!と言うのは大人気ない(老人っぽい?)ですよね。

しかしながら、いくら寛容なまなざしを向けたところで、駄目なものは駄目とある日認めなければなりません。エル・コモリ法がその1例です。

ミリアム・エル・コムリは労働省大臣に38歳の若さで任命されたのですが、親の商売で若干働いたことを覗くと労働者としての経験もありません。労働経験も無い人が大臣になること自体問題ですが、現在彼女が推進している法案に関して様々な反対運動が起こっています。

社会党に属しながら、今のトレンドに従い、雇用し易くするためには解雇を易すくするのが一番の道と考えました。本来なら右党から出そうな法案が社会党から出されたにも拘わらず、至るところで反対運動が起こっています。

まだ働いたことが無い高校生たちも「終身雇用の無い不安定な社会に送り出される」と時期尚早な心配をしてデモに参加しています。自分の高校時代には、一時的と自分自身望んでいろいろなアルバイトをしたことを思い出します。

こんな所に一生居るものか!と反逆しながら、行き当たりばったりに見つけたバイト先でポケット・マネーと生存に必要な経費を稼ぎ、同時に若干の技能を学んでいました。その時に感じたやる気は今の若者たちには皆無みたいです。

これも脱線と思って話の筋を辿っていただきますが、未来の不安に苛まれる高校生たちの抗議などを受けて、この法案は現在ほとんど完全に骨抜きになっています。こんな法案通したってしょうがないんじゃなーい?と問い質したくなるような劣化途上です。

労働経験のない大臣と高校生が押し問答を繰り返す中、労働組合は解雇が企業にとって本当の痛手になるような現行法の固持を計っています。退職金ないし賠償金が払えなくて倒産する企業も存在するので、熟慮が必要な時期に入っているのは確かです。

どちらに軍配を上げるか?経済競争において労働者保護政策が足枷になるのは確かでしょう。終身雇用が常識で無くなった日本社会の例なども考慮に入れて、正当な判断をしなければなりません。

参考になるかどうか分かりませんが、フランスにおいて労働者から既得権を奪い取るのはインポシブル・ミッションに近いのです。

緊急事態の宣言

パリのテロ事件が勃発するや否や「緊急事態」に突入しました。大統領によって発令されたもので、オランド氏自身は3ヶ月に延長する意向だと聞いています。原則的には家に閉じ篭り、人だかりを避けなければなりません。商店街、レストラン、コンサート・ホールなど、全てその枠内に入ります。美術館、エッフェル塔なども閉鎖されています。

アルジェリア戦争の激化とテロ行為にともない、警察と軍隊が活動しやすいように権力を拡張する政令が決議されたのは1955年のことでした。捜査に関する拘束が減るので能率は上がると期待できますが、その後戦争だけでなく、手に負えないほど激しいデモの最中に緊急事態が宣言されたこともありました。

今回は事態の深刻さから見て当然の配慮だと思いますが、1月のシャルリー・エブド事件後にあった国民の一体感は無いような気がします。勿論被害者の慰霊と残された家族に対する同情を表現する機会は逃したくありませんが、それが大統領に対する支持に転換されるとは思えません。与野党入り混じって様々な議論を交わしている最中です。

限られた軍事力を海外派遣に駆使することにより、国内の防備は手薄になっています。また、国連を前面に出さない一国家としての軍事介入をした結果、イスラム国の憎しみの的になると言う身から出た錆的効果もひき起こしているような気がします。

その飛沫が130人を超える犠牲者の命を奪い、多数の重傷者を苦しませています。圧倒的な破壊力を有する軍隊があるならまだしも、軍縮に向かっていたフランス軍にとって無理な注文が多いように見えます。素人の考えなので愚痴程度に聞き流してくださいね。でも戦争にポーカーフェイスは通用しないと確信しています。

本日から3日間の国民的哀悼の日ですが、いくら泣いても憎しみのチェーンは解き放たれてしまいました。この連鎖反応を如何にして止めるか?これ以上犠牲者が増えないように祈るばかりです。

難民と移民

今日は朝から晩まで同じ写真を何度も見ました。悲しくも有名になったシリア人の男児3歳のうつ伏せになった遺体です。その名はAylan Kurdi、お兄さんとお母さんも同時に亡くなっています。

Enfant syrien


最初に見た時はセンセーショナルな写真を撮って鬼を捕ったような気になっている新聞記者がいるとか、心の奥で悪態をついていました。感情に直接呼びかけるような写真に対して警戒心の強い人なら誰でも思うことではないかと思います。

それが時間が経つにつれて、抑制し難い悲しみの波となって押し寄せてきました。なにがなんでも、3歳のあどけない命を失うのは勿体無さ過ぎるのです。海草の塊のように渚に打ち寄せられた体の屈折を見ると涙が流れて止まらなくなりました。

その子の父親は本当の亡命者でした。祖国に残れないほどの虐待を受けて逃走したようですが、この事故で2人の子供と奥さんを失い、シリアに後戻りする決心をしたようです。気の毒過ぎます。

その傍ら、今までのニュースを聴いていて、嫌気が差すような言葉を吐き出す移民候補も多数いるので、区別し難くなります。止むを得ず祖国を離れる難民(以前は亡命者と呼んでいましたね…)と同じ権利を求め、もしくはそれ以上の優待を期待して来た移民候補には胡散臭い存在も多いような気がします。

それを如何にして区別し、本当に助けが必要な人に有効な援助の手を差し伸べることができるか?このハテナ・マークはヨーロッパの歴史において前代未聞の規模だと感じます。

エルドラドは存在しないと言うことを将来の移民候補にもっと分からせることが出来るなら、現在の混乱状態をいくらか軽減出来るのではないかと期待していますが、人情は同じことで、誰も楽をしたいのでしょうね。ドイツと英国が人気の的になっています。フランスも勿論甘ったるい人権の国として目的地のひとつです。

因みに、現在難民のために支給される手当ての総額は、モンペリエっ子のような貧しい年金生活者が受け取る金額以上なのです。そんなものを提供している限り、移民候補が押し寄せて当然でしょうね。

Aylanの冥福を祈りながら、これ以上犠牲者を出さないように、ヨーロッパ共同体はもっと断固とした政策を打ち出さなければなりません。このままでは社会問題も悪化するばかりです。

国際放送テレビのサイバー攻撃

昨晩大変なことが起こりました。イスラム国過激派ダーイシュに属すると主張するグループによってTV5 Mondeと言うNHK Worldのフランス語版みたいなテレビ局の活動が完全に止められてしまいました。所謂サイバー攻撃と呼ばれるものですが、スクリーンが真っ暗になり、偽の放送が送られ始めたそうです。

同時に、TV5のフェイスブックとツィッターのページもハッカーの手に落ち、秘密の書類が掲載されてしまいました。回復にかなりの時間を要した模様です。

金銭目当てで、接続妨害をするぞと、大企業に脅しをかけたと言う様な例は聞いたことがありますが、一国のテレビ局を麻痺させるに至るなんて想像する気力もありませんでした。信じたくない事柄のひとつですから。ネット依存率が高まる一方の生活を送っている人にとって脅威の意味はよりシリアスだと思います。

TV5 Mondeに関する簡単な説明がウィキに出ているのでリンクを貼っておきます。
テヴェサンクモンド
仏語版では既にサイバー攻撃が記録されていますが、日本語版には記載無しです。

200以上の国へ向けて24時間連続放送を提供するTV5は、2億5千7百万人の視聴者を誇る、世界第二だか第四だかにランクされているテレビ・ネットワークですが、番付はウィキのバージョンによって違います。多分ネットワークの広さでは2位と言う意味だと解釈しています。

朝日新聞のウェブ版に出ているかなと思って探したら出てきませんでした。代わりに、仏国右翼国民戦線のルペン父娘の対決に関する記事は国際部門で大見出しが出ていました。
ルペン党首、父を候補から外す意向

どちらが重要なのか判断する気はありませんが、中世に後戻りしているように見えるダーイシュがこのように高度のサイバー攻撃を仕掛ける能力を有することに恐れを感じます。